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一通りの所作が終わると、参拝者を堂内の中央に集め、鬼と介錯で作る輪の中でしゃがませる。院主の心経読誦のあと、鬼が所持している松明で、参詣者の肩・背・尻などを軽く叩いて加持を行なう。松明で叩かれた所は健康になると信じられている。残念ながら、私は輪の外で撮影していたので加持をいただけなかった。
鬼の加持は非常に丁寧で、小さな子供やお年寄りには松明の火を気遣いながら一人一人漏らさず行っていた。
この加持が一通り終わると、参拝者を堂中央から遠ざけ、荒鬼が松明を打ち合わせなら所作する。これは、なんと言われる所作なのだろうか。 |
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鬼は介錯を従えて、吹き鳴らされるホラ貝の音に見送られ、講堂を飛び出して行く。途中、参拝者の求めに応じて走りダイで加持をしていた。
燃えさかる松明の火を闇に揺らしながら、地区の家々へと向かって坂を走り下って行った。
鬼と介錯は、区内の各戸を訪れて厄払いの祈祷をしてまわる。走りダイをかかげて走りまわり、ワラジばきのまま座敷にあがて、家内安全などの祈祷を行うという。
各戸では座敷の床の間や仏壇前に鬼と介錯を招き丁重に酒やご馳走を出して歓待する。このときは、町に出ている家族や親戚縁者も同席して鬼の縁起にあずかる。 |
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駐車場所を提供いただいた吉武さんが写っていた。 |
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さて、鬼達が区内の家々へ下っていった。彼らがこの講堂へ戻ってくるのは夜明け近くと聞く。そこまで待つ根性は持ち合わせてはいない。差定の鎮鬼と鬼後呪が残っているが、帰路につく事としよう。
明かりのついた地区の民家には、きっと鬼達が上がり込んで賑やかな持て成しを受けている事だろう。覗いてみたい気もあるが・・・・
車に戻って、ふと空を見上げると、暗黒の夜空には満点の星が煌めいていた。澄んだ空気はすばらしい星空を見せていた。
勇壮荘厳な火祭りに興奮冷めやらぬ気持ちを満点の星空の淡い光が鎮めてくれる。静かにその星空を見上げていたら、誰かが満点の星空に気付いて感嘆の声をあげた。 |
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